小売商業の現状
1.全国の小売商業の推移
99年商業統計調査によると全国の小売商業の商店数、年間販売額とも調査以来減少している。
イ.年間販売額は:約145兆円(前年対比8.0%減少)
ロ.商店.数は :約147万店(97年対比7.5%減少)
※全国に1万5千の商店街があるが、その内約9割が停滞、衰退し、商業集積地での空き店舗が急激に増加している。
いずれにせよ、日本も欧米並みの商店減少時代に突入する一方小売店の規模の拡大により近代化がようやく進みはじめている
2.
東大阪市内小売業の現状
東大阪市における小売業の商店数を東大阪商工会議所の地域経済白書より見てみると、昭和57年7,887店をピークに、平成9年には5,976店と(対57年25%)減少、年間販売額も4,969億と減少している。また、平成3年と比較しても7,094店(年間販売額5,306億円)規模であったものが、平成9年との店数の対比では1,118店、15.8%減少し、年間販売額でも約337億円減少している。これは全国、大阪府全体よりも減少幅が大きい。
※従業員1〜2人の小規模店が約20%減少、10人以上の店舗は増加している。
3.大店法の廃止と大店立地法の施行
大店法が廃止され大店立地法が平成12年6月より施行、大店法による小売商業者の事業機会の確保がなくなり、商業調整による規制から、都市計画や生活環境の観点からの設置基準をもとに調整されることになった。
東大阪市内においても大型店の商業集積地以外への出店計画も、カルフールジャパン東大阪店の計画があるが、尼崎での出店計画では、コストコホーズとのジョイント計画で巨大なパワーが予測される。
なお、ご承知のように、東大阪市の商業と直接の関係がないが、米ウォールマート・ストアーズが西友とう格好の実験台を得て日本市場に乗り込んでまいります。そのため大型店間の本格的な競合も激しくなり、退店等を含むリストラが増加することが十分予測され、流通業界の再編の渦に小売業が巻き込まれることと、大型店の退店による疲弊した街の活力は想像外のものが伺える。
大店法の廃止や海外企業の進出などにより競合が激化し、2010年時点での小売店舗数は30%減少が予測され、中小企業だけでなく、大手企業もその例外ではなく、情報化や高齢化などの進展に伴う対応が必要と指摘されている。(2010年小売経営ビジョンリポート=日本小売業協会)流通のパイプ役から生活者と生産者とのコーディネーターへの変身が存亡のカギ